2010/04/18

愛のささやき



耳を澄ますとあちこちから聞こえて来る半永久的な愛のささやき。
人間は永久を見届けられない。
だとすれば、
いったい何のために私たちは傷つけあうのか。
何のために見栄をはって、
何のために優越するか。
私のDNAは時々反転された宇宙の中で間違える。
正義に深読みされる。
伝承に誤解される。
風の仕業かなのか。
そう、風のヤツさ。
あの日吹いた一陣の風の仕業。
愛をささやく風が吹いたら草が生えた。
どんなDNAも無視して雑草だと決めつけられるのか。
だが風のおかげで愛に溢れている。
休日はビデオの中に時間を過ごすのが多い。
CDの中に生きる。
書き物の中に生きる。
コンピューターを手探りして生きる。
私はいつも壁越しに愛を確かめる後ろめたさを感じる。
そこで窓を開けてみる。
新しい壁を股間の間に持っている。
国境の代わりに遠い宇宙を漂う気持ちになる。
今日も愛はささやく。
人は誰もが世界の中心と考える。
行き交う車の音は聞こえない。
果てしなく打ち寄せる波の音も聞こえない。
何の音も聞こえなくなった時、
結局みんないつかは死ぬということを学ぶ。
心臓が裂けそうなほどの欲望にかられる。
空気と空気の間から、
突然あらわれるきっかけのような風におびえる。
空気の重さで下がってしまった空に明日を思い、
昨日を懐かしむ。
自分が人間であることを思い出した。
うつろな人間は夕暮れに立って、
沈む夕陽に別れを告げる。
悲しい街角に佇んで離れていく人々を見送る。
人間は水平線に浮かんでいることを気にかけ、
私は迂回しながら人生の途中でふと立ち止まる。
また、寂しさに呼ばれて愛をささやく。
愛はいつでも自分の意志でささやかれることを知る。
風に吹かれて聞こえてくる愛のささやきを聞きたい。
  御供  2001/1/4 11/11/4 13/9/25

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