
「愛することと自立すること」
が、大切だとフロイトは言った。
国家やマルクスさえ信じることをしなかった。
当時のドイツではユダヤ人に対する虐待がそうさせた。
いつでも国外追放にあっても生きていくための手段として、
自立して働くこと。
そして、家族やまわりの人を愛という絆で結びつく。
人間のもっている本来の人と人の間の心の中の意識に、
目覚めることを解いた。
今の世界には、
まだ争いごとが絶えない。
権力が弱いものいじめをして、
人間の生活を苦しめる。
原発、そして国と国との争い。
いくら宗教が違うといえ、
従姉妹や親戚同士が殺し合うことなどしない。
ロシアの武器商人と、
フランスの核商人が大国アメリカと談合している。
パワーを利用して金儲けをしているに違いない。
働かされているのと、
自立してプライドを持って働くのでは違うと思う。
洋服が好きで洋服屋になるのと、
お金が好きで洋服屋になるのとでは違う。
自分の雑誌の編集という仕事に置き換えてみるならば、
断じて雑誌で嘘をつけないということだ。
ポパイでずっとリーバイスがいいと書いてきたのに、
いきなりタイアップでエドウィンがいいなんて書けない。
ファッションという流行の部分。
自分の意見のないスタイリストにものを選ぶ目がなければ、
無知な働きは赤帽のような運送業をしているのと同じだ。
嘘偽りの働きとなってしまうということだ。
どんな仕事だっていい。
八百屋だっていい。
新鮮な野菜、上手い野菜を食べてもらいたくて八百屋になった。
大切なのは新鮮で上手い野菜を食べて喜んでもらうこと。
選ぶ力を持つということ。
親が八百屋だとか、たまたま安く手にはいるという。
曖昧な動機から八百屋になってはいけない。
働くということは今一番何をしたいか、
という人間の心の意識の中にある。
パワーを最大限に発揮すること。
何をしたっていい。
盗賊が道ばたに落ちている金を拾うことは決してしない。
彼らは大富豪の蔵から金を盗むんだ。
それをみなで分かち合うことだ。
それを働くことは、
社会では許されていない。
彼らは貧しい人たちを助けたい。
ひとつの時代のつくり出したヒーローだとしたら、
わかるような気がする。
とりあえずいいたいのは働かないヤツはダメ。
働くことは人間の豊かな生活につながり、
愛するという行為にもなるだろう。
この世の中にやらなければならないことがあるとすれば、
働いて自立して暮らすということ。
今日もせっせと自分の楽しい仕事をしていくことにしよう。
私は私のために、
いま精一杯やれることをやるだけだ。
御供 1999/2/18