私の人生の中で見出したささやかな満足感が、
次第に気の抜けた味気ないものになっていく。
私は生きる喜びを求めなくてはならないが、
それがなになのか?
はっきりしてきたと思う。
愛されることはなんでもなく、
愛することがすべてであるとわかった。
私たちの存在を価値のあるものにだんだんすることが、
わかってきたかのように思われる。
この地上に幸福というものがあるとしたら、
それは様々な感情からつくり出されたもの。
お金はなにものでもなかった。
権力は何の価値ももたない。
このふたつのものをもった人がいても、
心がみじめな人がたくさん見られた。
美しさも何の役にもたたなかった。
一見したところ様々な感情があったけれど、
根底においてそれはひとつのもの。
すべての感情を意志と読んでいい。
私はそれを愛と名づける。
幸せとは愛であり、
それ以外の何ものでもない。
愛せることのできる人は幸せである。
私たちの魂に魂自身の存在を感じ取らせ、
愛は所有することを求めない。
愛はただ愛することだけを望む。
それゆえ、世界への愛を、
思想という夢の中に入れて揺さぶる。
世界を自分の愛の夢の中へふさぎ込んだ。
詩人や哲学者は幸せだったに違いない。
御供 1999/3/31
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