2010/04/06

これが私の


あまりにも多くの仮面を塗りわけ。
あまりにも見事な演技をして、
自分をも他人をも、あまりにも見事に欺く。
今はもう心の秘かな動きも感じない。
演技が意図の宿らぬものはない。
これが私の不幸。
自分の心を奥深くまで知り尽くし、
その脈動のすべてをくまなく察知する。
もう夢は無意識の中にも存在しない。
喜びや、苦しみ、悲しみ、
楽しみの予感も私の心を動かすことはない。
シャンパンの軽い細かい泡に、
心を重く沈めている。
私は暗い片隅に座っている。
私の夢を無心で呼び寄せ、
私の大好きな夢を取り戻す。
私は誰かの言葉を思い出す。
私がひとつの言葉を沈黙し、
巡り合わせで知ったひとつの言葉に心動かされる。
心の亀裂に入り込んでくるいくつもの言葉。
私の持っていた大切なものが、
はじけて飛んでいくのを感じながら生きている。
私はまた、行為を繰り返す。
これが私の出来ること。
私の心を開かせた愛も、
あこがれの甘い思いも、
もてあそぶように荒れ狂う美しいやさしさも、
見も知らず、見極められもせずにいる。
私の心の中を満たしていた些細な幸せも、
すべて、ひとつになって押し寄せて来る。
これが私の。
いくつもの書かれただけの詩を持ち去って、
私の夢は二度と戻って来ないのか。
危険でいっぱいの大都会の街角で、
忘れられて捨てられるだろうか。
私の大いなる語らいも、
届かぬどこか遠い所に行ってしまうのか。
社会の歯車の手に撃ち殺されたのだろうか。
旅の途上の見知らぬ人が、
美しい大きな目で発見するのだろうか。
それともどこかでネガティブなバイブに捕らえられて、
青白い顔をしてじっとしているのか。
少しでもいい。
もし、私の詩を耳にしたら、
私の願いを聞き入れてくれ。
愛と平和の扉を開ける手伝いをしてくれ。
隠れて住む多くの亡霊に招き寄せられても、
もう一度、私の夢は暗い穴の中の小さな光を懇願する。
そう、覗き込んで発見されなければならない。
もう一度、私の夢をそのしなやかな手で触ってくれ。
もう一度、私の夢の詩の中へ。
これが私の見つけられないものなのかもしれない。
小さな小さな夢のすべてだ。
  御供 2013/5/19

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