2010/07/16

一回で


ふらりふらりと街をさまよう。
エンジェルに引かれて。
嫌いなヤツなんて誰もいない。
ただ少しでも多くの友を探したくて、
動き回っているだけなんだ。
おふくろに言われたんだ。
「人よりも動きなさい。汚い仕事は率先してやりなさい」
「信頼は10年かかるけど、それを壊すのは一回でできる」
こんなことを私に言っていたおふくろ。
「友に迷惑をかけるのだったら、私にかけなさい。サラ金で金を借りるんだったら私に借りなさい」と、言ってくれたおふくろ。
誰よりも私のことを心配してくれた。
自分の子供が不良だなんて思いたくなかったのに違いない。
おふくろは働き者で気丈な人。
小言は毎日同じことを繰り返す。
「ろくでなしと言われたけれど、人でなしとは言われたことがない」
息子を裏切らないことはわかっていた。
私がお金をもらう時、
嘘をついていたのもわかっていたに違いない。
社会で安定を持たせるために、
自分でも嫌いな病院の医者になれと言ったのもおふくろ。
自分は金を使わなくても私の本代や遊ぶための金を送ってた。
28歳まで学生をやっていたのもおふくろの愛だとわかった。
父を信じて愚痴ひとつこぼさず、
見合いで嫁いで49年間。
68歳で膵臓がんで亡くなったおふくろ。
そんなおふくろだった。
   御供 1999/3/13

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