
アートは自分が追求するひとつのものである。
シンボリックなくして成り立たない。
個人的に幾度か自分が見るもの。
普通なら成り立たない矛盾を見る。
出生と死。
慈悲と残酷。
生命と破壊。
この社会で手をつなぎ共存していくことのないもの。
澄みきった水晶のような空気に囲まれるときに生まれる。
アートにたずさわるものは自滅も考えなければいけない。
限界ぎりぎりまで力を出しきらなければならない。
厳しく見ることの中に見つけなければならない。
アートとは夢想ではなく創造だ。
頭で考えただけでは思考の中の遊戯。
醜いものの中に発見することもある。
欠点の中に見つける。
忘れられた中に思い出す。
秘密ごとの創造がいつかすべての人の目に見える。
型を与えられたものを自分の手がつくり出す。
つくり出されたものがみんなの目に見える。
そこにアートがありアートの意味もある。
つくり出すことへ向かう。
つくり出す道を歩きつづける。
その道に引き寄せられる。
秘密の金色のきらめきに引き寄せられる。
ひとつの輝く星に到達する。
アートとはたいていの場合お金にもならない宝を抱えていること。
自暴自棄に何かを吐き出すことによってアートになる。
あわれな馬鹿だ。
幸福なアートなど伝説以外のなにものでもない。
幸福なんて俗物のおしゃべりにすぎない。
陽気なモーツァルトはシャンパンを飲んで虚勢をはっていたが、
その代わりにパンにこと欠いて困っていた。
空腹を抱えてもユーモアのセンスに飛んで何かに熱中する。
アートが意味したものは克服というもの。
人生の道化と死から生き残る。
アートは人間の命より長く持続する。
はかない瞬間の彼方に形象と神聖なものとなる。
静かな王国のようなもの。
アートの王国は滅びることなどないかもしれない。
つくり上げられたアートは王国よりも強く築かれる。
御供 2000/9/28 11/11/27
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