孤独の人を孤独だと語るときいじらしく思う。
来るあてのない友を待ちわびる。
それは私自身をいじらしく待ちわびるのと同じこと。
無傷でいたいから、挨拶もせず、
私は深く語ろうともしないでいる。
小さくひとつうなずいて、
ずたずたに引き裂かれて別れたのである。
語らなかったことに腹をたてる。
這いつくばって心のかけらを拾い集める。
傷を負った振りをしている者たちがいて、
本当は誰よりも無傷なのを知っている。
佇むことの本当の意味、
わけもわからず立っているだけ。
開いた目を閉じることも忘れて、
大気をずっと見つめる。
初めてものを見る赤子のように、
悲しみは心の中を焦がしながら語る。
何の意味もない行為に堂々と人生を全うしようとしている。
そして、口元の緩みで語る。
人の流れもすっかり変わって、
私だけは変わらないと自負する。
実はその反対だというのに。
そうやって見慣れていくだけなんだ。
時代が変わってしまったと思うのは、
私自身が変わってしまっただけなんだ。
話したわけでもなく、
じっと見つめ合ったわけでもない。
すぐに横を向き、
私ではない誰かと語り出している。
どうしてあの時、
乾いた唇を湿らせなかったのか。
語らずに私は静かに眠る。
口にしないで無言で語る。
生きていた頃、
私にはわからないことが多過ぎる。
でも、語ろう。
御供 2000/10/1

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