2011/05/07

卵から



もうじき私は生まれる。
卵から殻を破って世界に出発する。
今のままじゃ狭すぎる。
私は自力で殻を破る。
気力で何とかくいしばる。
翼をひろげて羽ばたいて、
巨大な都市の上空へと。
本当のことなどあるのかこの世界。
誰も教えてくれないこの世界。
真実がいつも気になる。
くだらないことが多すぎて、
ここにいたら卵の殻を破れない。
鋼鉄の足で立ち上がろう。
誰かを愛してみた。
街中のものをかき集め灰になるまで燃やしたい。
苛立ちはすごい。
苛立ちつづけているからうんざりさ。
また風が吹いてくる。
卵からかえっても生きているわけもわからないのか。
ささやかな望みをたよりにしがみついている。
振り落とされないように求めつづけてきたけど、
ぬくもりだけがたったひとつのリアル。
嵐の中に卵から生まれ、
夢や愛に飢えている。
嵐の中に生まれ、
どしゃ降りの雨に打たれて私はどこへ向かうのか。
うんざりさ。
また風が吹いて来た。
卵から生まれても何にもならない。
あちこちにいる悪徳の人たちの中で永遠の誓いなどできやしない。
愛の押し売りなど欲しくない。
私は生きて行きたい。
弱い人間は街の中で腐っている。
汗を流して働いて損をする時代に生きている。
もうすぐ卵から生まれ変わる。
生まれ変わらなかったらいつまでも卵のまま。
卵のままじゃダメだ。
人間として生きたい。
このままじゃ手足も自由に使えない。
だからかえろう。
だからはじめよう。
卵のままでいるならどんなに楽だろう。
楽を考えちゃダメだ。
とにかく卵から早くかえって現実を歩き出そう。
もう時代は風に吹かれて変わっている。
はじめよう。
急いで卵から。
御供 2001/9/29

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