2011/09/07

木は神聖なものだ



木と話しをし、
木に傾聴することのできる人は真理を体得する。
木は生きることの根本法則を説く。
教訓や処世術を説くのではない。
木は永遠の生命の一部だ。
木の中にはひとつの核、
ひとつの火花、
ひとつの思想が隠されている。
木の力は信頼だ。
木は自分の祖母のことを何も知らない。
木は年毎に生まれる幾千もの子供たちのことを知らない。
木は自分の種子の秘密を最後まで生き抜く。
それ以外のことは何も木の関心事ではない。
木は神が木の中に存在することを信じる。
木は自分の使命が神聖なものであることを信じる。
この信頼に基づいて木は生きている。
夕方の風で木がざわめくのを聞くと、
私は漂うあこがれが心を強く引く。
一見そう見えるような願望だ。
母の記憶へあこがれである。
一歩一歩が誕生あれ、
一歩一歩が死だ。
あらゆる墓は母だ。
木は私たちより長い一生を持っている。
息の長い考えを持っている。
木はあるがままの自分自身以外のものになろうとはしない。
あるがままの自分自身が故郷だ。
そこに幸福がある。
 御供 2000/5/16

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