2011/10/31

天気のいい日



街をさまよい歩く私はどこへ行こうとしているのか。
いったいここはどこなんだ。
誰に会うんだろう。
何もかも忘れてぼんやりと日向ぼっこ。
こんな時間があることがうれしい。
こうやって平日の午後、
帰って詩を書くことができる喜び。
太陽の下で洗濯したり、
散歩したりする昼下がりが好き。
Tシャツとジーパンを洗って干す。
気持ちいい音でも聴いてゆったりした時間を過ごす。
あんこでも食べて疲れをとる。
心ゆくまでボケっとして嫌なことは全部忘れる。
いいことだけを頭に描いて明るい未来を夢見る。
自分の楽しみの時間。
天気のいい日はのんびりとしたいものだ。
 御供 2001/10/19

毎日を



いつものように繰り返される毎日を、
私は私に気づいているのか。
私という存在はいったい何なのか。
毎日は知らないうちに過ぎて行く。
この知らないで過ぎて行く毎日をどのように楽しもうか。
気がついた時には陽が暮れて、
夕方から夜に向かう。
夜は止まったように重くのしかかる。
朝はまだ来ない。
待ちわびた朝が来る頃には、
毎日の繰り返しを忘れている。
また陽が沈む。
自分の中に楽しみの時間を見つけ出すヤツが何人いるだろう。
私は私の毎日を振り返り、
これからの人生をどう生きて行こうか考えている。
 御供 2001/3/18

生活のリズム



ゆで卵の殻を剥ぐように保守的な常識の殻を取り除く。
60年代ロック・ミュージックがそうさせた。
ロックを象徴する感性の世代。
反骨精神。
ロックには思想と凝縮された反抗がある。
向こう側に見えるのは永遠の自由。
自由を追い求めるロック世代の光と影。
ロック的生活のリズムに取り込もう。
 御供 1998/7/8

詩人ゲイリー・シュナイダー



最後のビートニクと言われる現代アメリカの最高の自然詩人。
そのゲイリー・シュナイザーのポエトリー・リーディング。
人と自然の喜びの輪を結ぼう。
ゲイリー・シュナイザーは50年代以来、
ビートからヒッピー、
そして現代のオルタナティブ。
エコロジー、オーガニックという流れの中にいつも身を置いている。
ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグらとともに50年代、
サンフランシスコでビート・ジェネレーションの創成に関わった。
彼の詩のよりどころである禅や東洋思想は、
多くの人を導いた。
ビートを越えた存在であろう。
人間と自然の姿をリアルにポジティブに超越した視点から、
スケールの大きな詩や文章を書いてきた。
ビートから半世紀が過ぎた現代にあっても、
彼の詩や提唱する新しいエコロジーの挑戦。
生命地球主義「バイオナリ−ジョナリズム」を通して、
リアルタイムで社会的評価の対象になっている。
 御供 2001/8/18

1つの言葉662



アルカロイドは主に植物から得られるアミン化合物。
ケシ科、アカネ科、ウマノアシガタ科、ネギ科、セリ科、マメ科。
   御供

1つの言葉661



われわれの人生の地図は折り畳まれているので、
中をつらぬく1本の道はわれわれには見えない。
地図が開かれて行くにつれて新しい小さな道が現れてくる。
その都度、道を選んでいかなければならない。
選ぶのに選択の余地などあろうはずがない。
コクトー
 御供

1つの言葉660



アメリカの60年代にひとりの吟遊詩人がいた。
まわりの者は彼をジプシー・ブーツと呼んだ。
伝説の人物として知られていた。
彼は「山に向かって愛を説き、海に向かって平和を説く」
   御供 2000/7/11

1つの言葉659



人はみな多かれ少なかれその人なりの信念によって生きている。
そこに「義」を欠けば、
そんなもんないに等しい。
 御供

1つの言葉658



建築の天才はガウディである。

ダリがカタロニア語で「欲望」意味するように、

ガウディは「快楽」を意味する。

快楽と欲望はカトリシズムと地中海のゴシックの特質である。

もっとも興味を引くものだ。

ダリ

 御供


1つの言葉657



僕らのすべきことは古いかわをはいで、
もう一度生まれ変わることさ。
死の中に生命の泉をもう一度。
 御供 1999/3/2

1つの言葉656



季節が変わり風が吹いたら旅に出る。
好奇心に引かれて、
恐いものなどなにもない。
 御供 1999/3/2

1つの言葉655



戦うべきこぶしがあるんだったら、
平和を楽しむうれしい挑戦をして欲しい。
 御供

1つの言葉654



正常な精神状態を守ることは自分自身のペースを守ること。
何かに依存するのではなく、
楽しみに向かうエネルギーを蓄える。
 御供 2000/12/9

1つの言葉653



詩とはとても理想的に向かうものである。
何かに反発しているとき、
詩は生まれて来る。
 御供

1つの言葉652



2000年の東京にひとりの現れた詩人デプシー・ブーツ。
デブの大頭症の彼は姿形を見ただけで人を笑わせ、
幸せと平和を連れてくる。
 御供 2000/7/11

1つの言葉651



2000年東京はエコノミック・ワーという目に見えない戦いに悩まされている。
人間たちで埋め尽くされている都会は共食いしているかのように危険だ。
 御供

3つの言葉593



「LOVE&PEACEの伝道師ジプシー・ブーツ」

「ジプシー・ブーツのメッセージは多くの心ある人々に継承された。だが、彼に会った者はいない」

「詩人はいつの時代もどこからともなくやって来て、次の時代の水先案内人となる」

3つの言葉592



「気持ちのいいことはすべて正しい」

「冬を取り除き、笑いの春が生まれてくる」

「少しだけ楽しんでフリーク・アウトしているだけなんだ」

3つの言葉591



「言葉の魔力は力強いムキムキっとしてる。重低音のベースのようだ」

「詩を読むことで生計を立てた最初の詩人アレン・ギンズバーグ」

「詩は20年前よりずっと近い存在になっている」

2011/10/21

書くこと



何で詩を書くのかと聞かれると、
いつもこう答える。
「雑誌で今までモノはどこどこでいくらで売ってる。
そして店のリストばかり書いていたからだと」
もっと自分の考えを書きたくなったんだ。
自分の言葉でモノのあれこれよりも大切なことを書きたくなったんだ。
だから、毎日詩を書いている。
人生の中の矛盾や無知への言葉。
フローアップする言葉を萌芽のままの状態で書いている。
世の中の規則がいかにくだらないか、
社会の問題について自分なりの考えや怒りを書いている。
私にとって書くことは情熱なのだ。
言葉の復活の時代が再びやってきた。
私の書きつづけている新しいタイプの詩の時代。
時代が味方してくれるのがよくわかる。
もうたくさんの詩を書いた。
落書き帳に100冊じゃきかないだろう。
世の中に流されるののではなく、
情報にあやつられるのではなく。
自分自身の体験からくる言葉で書いている。
私の詩だ。
誰のために書いているのではなく、
心の中の乱雑の整頓のようなもの。
たまにいい仲間が集まると詩を読む。
何か美しいものを見た時、
いいヤツに知り合った時、
世界で起こっている様々な出来事を知った時に、
私の詩は書きつづけられる。
私の詩は難しい言葉を使わない。
簡単な言葉で書かれた詩だ。
   御供

1つの言葉650



この新しい落書き帳にうそのない私の本根を書いていこう。
誰のために書くのではなく、私のために書くのだから。
 御供 2001/9/9

2011/10/20

将来に



雨は止んでいるがいつ降り出してもおかしくない空模様だ。
東京の街を押しつぶしそうとするような重たい雲。
放射能に誰もが無言でおびえている。
東京の町並みはどこまでも明るく美しく見える。
そう、見えるだけ。
まるで蜃気楼のようだ。
誰もが思っている同じようなことを。
不安が日本を覆い尽くしている。
将来に不安を感じている。
だが、その歳になるまで予想ができない。
あれこれ想像することはできる。
将来がどうなるかなんて考えられない。
人は何のために毎日の生活に耐えているのだろう。
いつになったら、理想の生活に手が届くのか、
手が届くことなどあるのだろうか。
バラ色の未来に向かっている。
働き過ぎだといわれる日本人。
いつ交通事故で死んでしまうかもわからない。
癌という病気に恐れる。
将来のことなど考えてもしようがないのか。
いや違う。
楽しんで心豊かに歩いていく。
わからない将来に自分の心が納得する。
そう生きていく。
 御供 2011/10/20

2011/10/14

憤れ



3、11以来時代は音をたてて変わっている。
愛するものたちよ、憤れ。
アニメの中に真実のニュ−スが展開される。
そこに行動が現実化する時代。
アニメのように創り出される個を通して表現されるストーリー。
そこに流れる音楽の力強さに心を打たれる。
勇気をもらう。
戦うために大義はいらない。
ほんのちいさなものでいい。
何かわからないものに信じられるものがあれば戦う。
守りたい何かがあれば戦える。
心の中ですんと何かが落ちるような気がする。
何を弱気になっているんだ。
間違っているものに向かっているわけじゃない。
強気でいればいい。
正しいという信念。
血が熱くなってきた。
自分ながら単純だと思う。
だが何かが変わるときというものはこんなものだ。
きっかけがあればいい。
すごいじゃないか。
自分が出した結論。
優秀であるより熱くいたい。
そう、憤れ!
御供 2011/10/14
PS:愛する友人たちへ

2011/10/12

GOLD RUSH



ジーンズの魂だけを残した。
1848年1月、
北カルフォルニアの田舎町。
ジョン・サンダーは若きアメリカの運命を握る。
大事件の発端となるこの土地で製材所を開いた。
その水車場の放水路におびただしい量の砂金がきらめいた。
それからわずか1年。
金鉱発見のニュースは瞬く間に東部まで広まった。
一攫千金を夢見る移民たちを西へと誘う。
[GO WEST]を合い言葉に長く困難な旅路を行く若者たち。
実際、約束の地に待ち受けていたものは、
ひとにぎりの幸運な人だった。
厳しい現実が待ち受けていたにすぎなかった。
夢を富を栄光を自らの手で勝ち取ろうとするフロンティア・スピリット。
これがその後のアメリカを強く成長させる原動力となったのは言うまでもない。
 御供 2003/10/8

極めると



物質的繁栄を享受する生き方に反旗をふりかざす若者が現れた。
ビート・ジェネレーション。
失われた人間性を創作活動によって回復しようとした世代。
その代表的な詩人がアレン・ギンズバーグ。
彼は反抗する若者の教祖とも言っていい存在。
若い頃、ブレイクが教えてくれた。
「死の準備をするのだ」
モノに捕われるな。
無数の本、
思考、金、愛にどっぷり浸っていいわけがない。
この体から離れられるか考えている。
ようするにこの世の中に右にならへはできない。
 御供 2011/10/11

雨降り



ここのところ雨の日がつづく。
なにもやることもなく、
どこへいくこともできない。
心は沈むばかり。
TVを観たり、
本を読んだりしても手持ちぶたさ。
思いきって雨の中をバイクで走り出してみる。
秋の入り口の季節、
雨がやたら冷たく感じる。
雨の中に沈む人が笑ったらいいのに。
雨ぐらい降るさ。
 御供 2004/10/15

1つの言葉649



ページをめくると時代の人たちが、
私に身をまかせるようにそこにいる。
 御供

1つの言葉648



心に目的地を抱かず、
ゆっくりと大地を踏みしめながら行くのだ。
 御供

1つの言葉647



書棚にしまわれるのではなく、
音楽の中に人々の呼吸の中に流れ込んでいく言葉。
 御供

1つの言葉646



自分を見捨てることはない。
眠っているだけなのだから。
 御供 2001/8/12

1つの言葉645



魂の大いなる故郷はどこまでも広がる道にある。
天国ではない。
楽園ではない。
その上ではない。
 御供

3つの言葉590



「悪はつねに愛の不足するところに発生する」

「創造力と感情移入能力は愛のふたつの型である」

「すべての芸術のはじまりは愛である」

3つの言葉589



「理想主義に変わって現実主義が台頭する時代には幻滅しかない」

「未来は発展といううさんくさいものでしかなかった」

「カフェ、レストラン、クラブは都会の夜に欠かせない」

3つの言葉588



「非合法があるから夜遊びが一層刺激的なものになる」

「ジャズのプレイは不良じゃなくちゃできない」

「人間は自分のことだけ考える。木のことも考えるべきだ」

2011/10/11

TIME



時は人間にとって最も貴重なもの。
人は過去に学び。
今という瞬間を生き、
未来に向けて働いている。
時は私たちの心を弄ぶ。
われわれの人生の価値はいかに時間を使ったかだ。
無駄に時を過ごしたりすると、
罪の意識さえ覚えてしまう。
 御供 1999/1/13

なぜに



思うようにはいかないもので、
何かのはじまりにはかならず問題が起きる。
休まるところがあるんだったら教えてよ。
天国があるんだったら教えてよ。
人生は尊いもの。
構築するには長い年月がかかるが壊すのは簡単。
なぜに思いもよらないことが起こるのか。
解決するのはいつなのか。
いい加減にしてくれよ。
驚き仰天だよ。
途方にくれる。
いちばんかたずけなくてはいけない問題がある。
ある日、突然変わることだってある。
なぜに進まないのか。
方向を見失わないようにしないとな。
人生だから。
 御供 2002/7/3

もうすぐ50歳



私は44歳だがすぐに45歳になる。
ほんの少し前まで学生だと思っていたのに。
心の中は学生のままなのに。
何があっても過ぎてしまえばただの過去。
いろいろあったが忘れてしまえ過去。
人生は50歳まで勉強だと言う。
哲学者や科学者は50歳から応用がきくという。
それまでは勉強に過ぎないのだ。
もし万が一70歳まで生きられたとしたら、
残りの人生は楽しいものにしたいものだ。
50歳になったら何をやる。
何を話し、何を考えているだろう。
こういったことを書いているだろうか。
今書いていることを後になって読み返すことがあるのだろうか。
もし、50歳になったら世の中はどうなっているのだろうか?
人間は、人間の世界はどうなっているのだろうか?
 御供 2000/12/10

今がある



気にしないで生きよう。
でも気になってしかたない。
人生の喜ばしい日にジェラシーという言葉は不釣り合い。
言葉の内容が理解できないのは何故だろう。
こんなにもはしゃぎたい今があるのに。
打ち砕かれる。
人生とは楽しいものだと思うのだが、
わからない今がある。
お互い手と手を取り合って生きていこう。
みんな同じなんだよ、
同じように悩んでいるのさ。
お互いに心を理解して生きよう。
 御供 2002/7/3

内面への道



人間の心の中へつづく道があるとしたら、
その内面への道は目に見えない。
熱烈な沈潜のうちに心は知恵の核心を知る。
すべての行為と思考は内面への道。
この世のすべての学問に学び、
習得したとしても内面への道が開かれるわけじゃない。
太陽も星も月もそこにはある。
長い間、光がどこから発していたかわからなかった。
自分の中に差し込む光の道が見える。
光を発する。
内面への道は容易な道ではない。
その道を歩むことはうれしいことなのだ。
 御供 2000/12/4

到着



再びNYに着いた。
メッセンジャーのムーン・シャインがJFKに迎えに来ていた。
再び、グラマシーパーク・ホテル。
それも前回と同じ部屋。
627号室。
帰ってきた感じがした。
心落ち着きのんびり風呂につかって、
ベットに横たわった。
のんびりだ。
 御供 2001

友を探そう



年齢なんて関係ない。
いいことも悪い事もいっしょにできる友。
いっしょにいても飽きない。
共通の話題があって遊ぶことのできる友。
相乗効果で互いにいい方向にいける友。
たとえ違うことをやっていても、
目的はいっしょ。
なんにでもたけていて温和なヤツ。
自分のことより相手のことを重視して考えるヤツじゃなくちゃ。
魅力があって、
なんにでもらしさがある。
そんな友を探そう。
少しでも愛せる友が欲しい。
ときめいている。
 御供 2002/1/20

声が



長く住んだ代官山にくると感じる。
香りに誘われてたたずむ。
あの頃のことを思い出している。
気持ちいい風に吹かれてぶらり。
ちょっと知り合いの店に立ち寄った。
思い出に花がさいてGOOD.
 御供 2001/8/5

宇宙全体



あるがままの自然は宇宙全体を支配する。
この偉大なる言葉の意味はひどく平凡だ。
平凡でありつづけること。
人間が自然体で生きるのは難しい。
森と木と共存して生きて来た。
人と人が共存しなければいけない。
地球の中で時間を自由に遊び、
アートという人間の創造を楽しむ。
美の追求は終わりのないうれしい挑戦。
自然とやさしく賢くつき合っていかなくちゃ。
いいじゃないか。
望んだりしない。
未来に平和が見えて来る。
宇宙全体を知る事などできるのか?
世界が終わらないうちに。
 御供 1999/2/10

時代への挫折感



何度、宇宙について議論したことか。
耳にタコができるほどした。
そこに鳴っていたのは「ブラック・ジプシー」
どんな前衛ジャズもブルースも同じような状態で耳に入ってくる。
様々なものが爆発した時代。
働くこともせず、
学校にもいかず、
ぼんやりと背中に不安なものを感じているだけだった。
ところが遊び暮らしながら、
遊んでいたという実感はなかった。
歩き回り、ジャズを聴き。
クスリをやってハイになり、
車の運転もバイクも得意とするところだった。
それは遊びではなく、
自分の感性とこの世界との勝負だった。
そういった中にいた。
中途半端なんていうことは考えていなかった。
その頃はすでに詩を書き、
チャンスをみてポエトリー・リーデングをやっていた。
思い出してみればいろいろな型で自作の詩を読んだ。
青春という照れくさい言葉の中にいた。
身も心も裸になりたい。
常に逸脱した記憶の中に酔いしれていた。
死が目の前にあった。
世界はなんら変わりはしない。
時代の挫折感の中に住んでいた。
それがビートの時代だ。
 御供 2001/1/4

機上にてパート3



飛行機が離陸してもう3時間が経つ。
離陸してから飲み物を飲んで機内食を食べた。
窓を閉めて寝る体勢に入る時間だ。
NYまではあと8時間。
興奮を覚えてノートに向かって書きはじめた。
豊かな脳を押し出すことができそうだ。
ウイリアムズバーグに向かう。
アソコにはエネルギーの得体のしれない何かがある。
私にはわかる。
時間の先端を示す何か。
これからの世界をリードする何か。
人間が必要としているパワーがある。
人間が必要としているもの。
愛であり、夢であり、創造である。
クリェイティブする時間がそこにはある。
生きるために必要とされているもの。
ものを創ることが大切だ。
「無から創る」
そんなことを考えて機上にて思いをめぐらせる。
 御供 2001/7/7

2011/10/10

初夏の日に



ひと雨ごとに初夏が近づいてくる。
灰色の曇り空の中に見えて来る。
すずめがチュンチュン子育てをする。
一日ごとに太陽の笑いがきらめいている。
ある朝、すっかり灰色に染まり、
木の葉に水滴をたらした。
新緑はしっかりと息づき、
その湿り気はまだなま暖かい。
杉の木の間から突然光が姿をあらわす。
一羽のカラスが大空に舞い上がる。
世界は魔法にかけられ眠りの夢の中へ閉じ込められる。
目を覚ますと私に警告する。
呪文から身を解き放ち、
現実へと立ち帰る。
私は机に向かい、
そっとノートに書く。
朝がまた目覚める。
終わりのない毎日。
もう初夏である。
 御供 2000/5/20

初夏の日に



夜通し吹いていた風がぴたっと止まった。
冬枯れを置いて、春の欲望が荒れ狂う。
草花は芽生え、動物たちは目覚める。
春のうるおいの日々をどれだけ待ったことか。
朝は朝に、夕は夕に待ちつづけた。
春について語る風はどこからともなく吹いて来て、
立ち止まりもしない。
どこかへまた吹いて行く。
残された大地に春の気配を見つける。
忘れられぬ笑いのようにやって来る春。
吹きつつ風の中に顔を出す。
初夏の日になる。
 御供 2000/3/3

春に入る



風がやさしくなびく。
信頼にみなぎる青空。
初々しくすべてのものが開かれてはっきり現れる。
毎日通る道ばたに花が咲きそうな気配。
気持ちよく小鳥たちも遊んでいる。
陽の当たった庭には光がはしゃいでいる。
外の緑が目に写り、
新芽の匂いが鼻をつく。
冬のたたずまいを忘れようとしている私に、
春は早く来いと呼びかける。
春に入って行く私が見える。
 御供 2000/4/3

春の一日



夕方、気持ちのいい風を受けた。
もう風は肌を刺すナイフではないことを告げている。
からになった頭の中は無がカランカランと音を出す。
私はぶつぶつ言いながら詩を書こうと試みる。
明日は明日。
私は知っている、死んだように生まれて来る春の一日を。
あの恐ろしく長い時間を見つめる。
時をあざ笑うように無の音を聞く。
体は何もしないのに疲れを語っている。
笑っていた体が詩を書くように立ち上がる。
私の詩の私の歌を聞こう。
 御供 2000/4/2

2011/10/09

夏から秋へ



季節の変わり目は気温が変わりやすい。
暑かったり、寒かったり不安定。
気をつけないと体調を崩しやすい。
今日は変に蒸し暑い。
昨日は雨で肌寒かった。
朝起きて考えて、その日の格好を決める。
真夏のものは着ない。
秋っぽいものにする。
秋の気配がしてくるといち早くそうしたい。
夏から秋に向けて風が流れ空気も流れる。
秋がそっと近寄ってくる。
ひと雨ごとに秋になる。
秋だなあ。
 御供 2001/10/6