2011/10/10

春の一日



夕方、気持ちのいい風を受けた。
もう風は肌を刺すナイフではないことを告げている。
からになった頭の中は無がカランカランと音を出す。
私はぶつぶつ言いながら詩を書こうと試みる。
明日は明日。
私は知っている、死んだように生まれて来る春の一日を。
あの恐ろしく長い時間を見つめる。
時をあざ笑うように無の音を聞く。
体は何もしないのに疲れを語っている。
笑っていた体が詩を書くように立ち上がる。
私の詩の私の歌を聞こう。
 御供 2000/4/2

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