2010/09/29

東京


暗闇が街を埋め尽くす。
夜がつづくわけではないのだから、
闇はやがて少しづつ明るくなる。
そのブルーの時間を感じることがあるよね。
何かが起こる。
知らずして幸せは去り、
心は閉ざされ重く沈む。
おそろしい沈黙のうちに時は飛んで行き、
やがてこの東京にも光が射す。
世間がどよめき、
喧噪が渦巻く。
かならず太陽は昇り、
欲することも知らずして心は深みから抜ける。
軽く浮き上がる。
幸せが来る。
夜の暗さも恐ろしさも、
青ざめた死人の色もこの光によって一切を失う。
何をすべきか知らずして、
東京は毎日救われることを繰り返す。
知らずして繰り返されている。
この繰り返しは休まず、立ち止まらず、
ただ黙していていつもつづく。
だが甘えないで欲しい。
終わらないで欲しいという気持ちを忘れないで欲しい。
明日の東京に生きることにすべてを托すべきなんだ。
御供 2000/7/22

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