2011/07/30

耳に



言葉は調律した途端に狂い出す。
一本の糸を紡ぐように選ばれた言葉は耳に気持ちよく響く。
言葉とはいい加減なものなんだ。
発する側と受け取る側の相性によることが多い。
耳に入る時には大脳が作用する。
言葉は時空を横切り耳から耳へ。
その意味は違う五感が教えてくれる。
まるで違った方法で表現する愛もあるのだから。
私の耳は少し聞こえない。
気持ちいいだけの言葉ではもの足りず。
私の言葉はガープする。
夜更けて耳を澄ますと聞こえるだろう。
他の世界から呼びかける声。
彼方から叫ぶ声。
永遠の時空を超えて届く息ずかい。
大陸から海を越えて渡る風がささやき、
ドアをたたいて耳に届く。
遮断した音を解放する。
耳に聞こえる音はとても早く世界を語る。
耳に入る音は私をいろいろなところに連れて行く。
記憶という亀裂の中に落ちながら、
遠い時間の先端を見るような気がする。
嫌なことは聞きたくない。
耳は時として未来の声をキャッチする。
地球の鼓動、リズムを聴くことを学びたい。
心のドアをオープンにして、
ポジティブなバイブレーションの音はすべて受け入れよう。
耳は都合よくは使えない。
やわらかい精神というものを犯されないように。
笑い声を。
いい音楽を。
はずむリズムを私の耳は聞きたいんだ。
耳を至福の入り口のところにおいておこう。
 御供 2000/12/24

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