2011/07/11

孤独への



世界が離れ落ちる。
社会が私から遠ざかる。
すべてが今までと違って見える。
かつて愛されていた街。
かつて親しんだもの。
幸せの熱が次第に消え失せ、
灰の中へと燃え落ちる。
闇が灰色から真っ黒へと色を変える。
私の心は下へ下へ沈みつづける。
心が強い力に押されて中心から外れて行く。
凍えながら、私は死んだ世界に立つ。
私の後ろから泣き声が聞こえる。
失われた私自身が振り返っても見えない。
余韻から響くものはない。
子供の頃の声も忘れ去り、
やさしい愛の調べも思い出せない。
孤独への道がつづく。
私が知っているより遥かに厳しく。
夢の泉も枯れている。
この孤独からはい上がる。
私は考える。
ふと考えが動いた。
私はこれを信じることに努めた。
孤独の果ての分岐点に立つ。
新しい道へ歩き出そう。
多くのざわめきが聞こえる。
ざわめきに誘われて歩き出す。
歩きつくことを信じて、
力を振り絞って方向を変える。
孤独より幾千もの友のもとへ。
私は無我夢中で歩きつづける。
多くの友と合流する。
もう、孤独じゃない。
いつだって助け合える友がいる。
孤独だと錯覚していただけなんだ。
 御供 2000/7/22

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