2011/12/22

働くこと



「愛することと自立すること」
が、大切だとフロイトは言った。
国家やマルクスさえ信じることをしなかった。
当時のドイツではユダヤ人に対する虐待がそうさせた。
いつでも国外追放にあっても生きていくための手段として、
自立して働くこと。
そして、家族やまわりの人を愛という絆で結びつく。
人間のもっている本来の人と人の間の心の中の意識に、
目覚めることを解いた。
今の世界には、
まだ争いごとが絶えない。
権力が弱いものいじめをして、
人間の生活を苦しめる。
原発、そして国と国との争い。
いくら宗教が違うといえ、
従姉妹や親戚同士が殺し合うことなどしない。
ロシアの武器商人と、
フランスの核商人が大国アメリカと談合している。
パワーを利用して金儲けをしているに違いない。
働かされているのと、
自立してプライドを持って働くのでは違うと思う。
洋服が好きで洋服屋になるのと、
お金が好きで洋服屋になるのとでは違う。
自分の雑誌の編集という仕事に置き換えてみるならば、
断じて雑誌で嘘をつけないということだ。
ポパイでずっとリーバイスがいいと書いてきたのに、
いきなりタイアップでエドウィンがいいなんて書けない。
ファッションという流行の部分。
自分の意見のないスタイリストにものを選ぶ目がなければ、
無知な働きは赤帽のような運送業をしているのと同じだ。
嘘偽りの働きとなってしまうということだ。
どんな仕事だっていい。
八百屋だっていい。
新鮮な野菜、上手い野菜を食べてもらいたくて八百屋になった。
大切なのは新鮮で上手い野菜を食べて喜んでもらうこと。
選ぶ力を持つということ。
親が八百屋だとか、たまたま安く手にはいるという。
曖昧な動機から八百屋になってはいけない。
働くということは今一番何をしたいか、
という人間の心の意識の中にある。
パワーを最大限に発揮すること。
何をしたっていい。
盗賊が道ばたに落ちている金を拾うことは決してしない。
彼らは大富豪の蔵から金を盗むんだ。
それをみなで分かち合うことだ。
それを働くことは、
社会では許されていない。
彼らは貧しい人たちを助けたい。
ひとつの時代のつくり出したヒーローだとしたら、
わかるような気がする。
とりあえずいいたいのは働かないヤツはダメ。
働くことは人間の豊かな生活につながり、
愛するという行為にもなるだろう。
この世の中にやらなければならないことがあるとすれば、
働いて自立して暮らすということ。
今日もせっせと自分の楽しい仕事をしていくことにしよう。
私は私のために、
いま精一杯やれることをやるだけだ。
  御供  1999/2/18

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