2010/09/05

生命のゆくて


私は本能と精神の間をジグザグに人生を歩む。
今日は賢者で明日は愚か者。
今日は心から天にまかせ、
明日は熱く肉に身をゆだねる。
歓楽と禁欲というふたつの懺悔のむちで、
私は自分の腰を強く振る。
天使になったり、
聖人になったり、
思想家になったり、
動物になったりして。
生存の罪が私の中で許しを求めて叫んでいる。
ふたつの道のどちらかが私を誘う。
ふたつの道のどちらかを歩かねばならぬことを余儀なくされている。
昨日、私に近寄ってきた人々は私が天使になったことを知る。
昨日、私と楽しみの中にいたものたち。
今日、私が求めたものをみんなが祈り唱えている。
私は天使の翼でみんなを救う。
私は私の道を歩きつつ偽善者としての世界を嫌う。
賢者たちの享楽の至福の中に身を置いて、
私の天使はみなに呼びかけ天へと舞う。
子供という子供の夢を。
だが、私は知っている。
誰の行為も私の行為も行為すべてが風の中では軽いものだということを。
私は知る。
愛という人間の持つ素晴らしい行為を。
私は愛する。
すべてのものを愛によって天に舞わせ、
私は平和を連れて来る。
快楽の陶酔の中で、
何かによって誘われてすべてはうまく行く。
すべては許され、
新しい世界の入り口を探す。
そしてさらに歩きはじめる。
明日という今日作られたものの中へ。
明日は次の日へと楽しみながらゆっくりと進んで行く。
御供 2000/9/2

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