雲の上を遠くにオレンジ色の光の波をたずさえて、
並行して飛ぶ。
今は夕暮れ。
太陽が西の空に早くも降りて、
おぼつかない光の線が見えるだけ。
雲は白くうねるようにでこぼこに下にある。
しきつめられているようだ。
空気は上へ下へと転化し、
雲のはざまから少しの街の光が見え隠れする。
一瞬光が走る。
レインボーに輝く。
光の帯がどこまでもついて来る。
下に沈んだ雲は次第に黒ずんでやがて真っ黒になるだろう。
レインボーの光もやがて消えるだろう。
そうして街の光が輝き出すとき、
飛行機は着陸の途につく。
なんと素晴らしい光と自然の調和。
ハーモニーを創り出す。
ビューティフル・ヴィジョン。
この暮れかける光の渦に、
目は至福の光を見つめる。
並行してつづくオレンジ色の光の線。
下方に見える宝石のようにちりばめられた街の光。
ああ、なんとせつなく幸せへと導いてくれる光の魔術。
心から高揚するのを感じる。
悲しくもあり、
うれしくもあり、
光はとてつもないグラディエーションを生み出す。
また宝石を放つ街が下方に見えて来た。
ひとつひとつの光に生活とだんらんが満ちあふれ、
心をホッと暖かくしてくれる。
光は何と未来的なことか?
光は何と覚醒を誘うことか?
私の目はどこまでも光の魔術に引かれつづける。
御供 2001/5/28
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