2010/10/02

病気


夜、ようこそ!
一番星よ。ようこそ。
私は眠りにこがれる。
私はもう起き上がれない。
もう考えることも、泣くことも、
笑うこともできない。
ただ眠りたい。
百年も千年も眠りたい。
頭上を星が移って行く。
私がどんなに疲れているか君は知っているか。
君は微笑みながらかがむ。
髪の中に星が光っている。
もう夜を明けさせないでください。
もう昼が私の中に入ってこないようにして下さい。
白日の光はひどく意地悪く敵意を持っています。
私にはそれを言うことができません。
私は長い暑い道を歩きました。
私の胸はすっかり燃えてしまいました。
夜よ、開け、
そして私を死の国へ導け。
他に願いはない。
もう一歩も歩けない。
母なる死よ、手をかけて、
あなたの無限の目を覗かせてください。
「この詩はヘッセが書いたもので、最近親しい知人が癌でなくなった」
御供 2010/8/7

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