2010/10/03

知人の死


死というおまえはいつか私にもやって来る。
おまえは私を忘れてはいないのだから。
最後には苦しみや痛みを連れてくるのか。
近くにいる知り合いが亡くなった。
こんな時にはいつも死について考えさせられる。
死への鎖は切ることはできないのだから。
親しい知人の死。
おまえはまだ遠くよそよそしく、
ひっそりと音もなくやって来る。
もうかなり前から気にしてはいたが、
いつもおまえは突然知らん顔をしてやって来る。
横を向いている私を見下ろして。
そしてやがて炎となって燃え立つ。
来るがいい、
私はここだ。
いつでも私も連れて行け。
決して体裁ではない。
笑っている私をどうどうと連れて行け。
人はみないつかは連れていかれるのだから。
運命とか、寿命とか。
おまえにはわかっているんだろう。
実は私もわかった顔をして待つつもりさ。
おまえが躊躇するぐらいにさっぱりした顔でいる。
人生は光があふれてばかりいるわけじゃない。
よろこびの色ばかりじゃない。
笑いころげて尋ねはしない。
いろいろな死のことに無責任。
天国があるんだったら、もういいよ。
私の心がいつも思いやるのは知人の死。
苦しみあえぐ死を迎える人。
ただただやすらかに待っている者。
知りもしないであっという間に自分でも予期せずに。
知人じゃなかったらこんなことを考えもしなかった。
誰もがいつかは後につづくのだから。
御供 2010/10/1

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