2010/10/18

ひとり歩き


なんでもそうだがモノはひとり歩きするものだ。
たとえば雑誌の名前である「POPEYE」。
はじめてポパイができた時は、
アメリカン・コミックスのポパイが私の中にひとり歩きしていた。
しかし今では私たちのやっていたPOPEYEがひとり歩きしている。
マガジン・フォー・シティ・ボーイというサブ・タイトルは取り去られ、
マガジン・フォー・カントリー・ボーイなる頁ばかり。
私たちの時にタブーだった女の裸とゴルフは、
編集長が変わることによって違ってきた。
セックス特集が組まれ、
タイアップ・ページが。
やらせのファッション・ページをうそぶく。
なんのイニシァティブを持たないものに成り下がった。
ポパイに騙され続けるほど読者は馬鹿じゃない。
気づいていないのは入れ替わった馬鹿編集長たちばかりだ。
こんな風になってしまった今でも、
ポパイという名前がひとり歩きし続けている。
昔を知るポパイの読者は今のポパイを嘆く。
私も思うこんなポパイになってしまったことに嘆きつぶやく。「私の青春を返して欲しい」。
でもやっている奴らだけは解ってない。
こんなになってしまったものにすがっている奴らがいる。
ひとり歩きするのはキミの方なんだよ。
解って欲しい。
御供  2000/11/25

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