2010/10/23

言葉遊び


言葉を使っていると意味のない意味が生まれてきてこまる。
こんな風に書くつもりじゃなかったのに、
言葉が勝手に意味を持って歩き出す。
その言葉が美しい言葉で歩いているときはいい。
しかし、そうばかりとは限らない。
ディビルになったり、バイオレンスになったり、
ひとり歩きした言葉を止めることはできない。
そいつとは無関係だといっても、
私が書いたものだからそうとは言えない。
私の沈黙の舌からこぼれ落ちる言葉が、
いくつもの意味を持って歩き出す。
この世界に言葉がなかったら、
そんな遊び方はできなかっただろう。
言葉なんて書くんじゃなかった。
誰知れず心にナイフのようにつきささる言葉がなかったら、
言葉なんて書くつもりはない。
震えるような手であやふやに書いただけなのに。
時間を浪費しないように書いただけなのに。
こんなことになるなんて、
たわいもない遊び心で書いただけなのに。
こんなことになるなんて。
私には不思議な才能があって、
言葉が手を通じて溢れ出てくるんだ。
その言葉がどうなるのか私にはわからない。
そうはいかない。
わからない。
私の書いた言葉が美しくひとり遊びしてくれる。
私の書いた言葉が美しくひとり遊びしてくれればいいのに。
私の書いた言葉が美しくひとり遊びしてくれればいいのにと、
いつも思う。
こんなことを考えて書かれた言葉の中に!
御供 2000/12/2

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