2010/10/05

詩人のあとの


私の詩は私の手の中で砕け散り、
背後には暗い夜の明かりがうっすらと。
私はなおも詩句の前に座っている。
書いた詩は読みもしないで消してしまうのか。
座っている机の向こうにはベットがある。
しかし眠ることはしない。
眠りと夢が来ることはあるのか。
詩は書かれてはいるが誰の目にも止まらずに、
そのままの状態をつづけるだけなのか。
この詩がこのままあることを気にかけながら。
おののきながら末路をむかえるのか。
創り出されたものはすべておののきながら死んでゆく。
詩よ、燃えよ。
たちまち詩は知らないうちに消えて行く。
人生はあまりにも短く、そして長過ぎた。
休みなき血よ。
血にとって死はよろこびかもしれないが、
休むことをしらない心にとっては死はただやって来るもの。
詩人が詩人であるあとのことはわからない。
末路はなんにでもあるがわからない。
異郷の苦しみからの帰還かもしれない。
詩人のあとのことを話されたらお笑いぐさだ。
御供 2010/10/2

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