2010/10/16

社会というもの


同じように繰り返される毎日がある。
もうすぐ正月。
暮れも押し迫った大晦日。
東京という大都会の人間の森に、
ホッとする一時がやって来る。
みな田舎めがけて帰って行く。
私にはもはや帰るところもない。
この東京のど真ん中が、
私のいるべきところなのだ。
私は嫌いじゃない。
人間のいなくなった大都会もいいものだ。
自分が自分でいられるし、
せせこましい煩わしさに巻き込まれることもない。
人間が人間として生きられるスペースが、
そこにある。
人間のいなくなった大都会。
とてもいい気持ち。
私は自由に街を探索する。
そうするといろいろなものが見えて来る。
人間のいなくなった東京はまるで違ったフィールドだ。
誰もが自分の時間の中にどっぷりと漬かっていられる。
あるものは音にはまり、音を創り出している。
あるものは絵というものに、どっぷりとしたり、
描き続けている。
あるものは文字というものに中毒して、
文章を書きめくる。
その中に大いなる夢を抱いて、
次の年を迎えようとしている。
誰に何と言われようと、
自分は自分の道の上。
自分なりの創造の中に身をゆだね。
次なるものを創り出す。
それが私の道の上。
社会というものの中に流れる私の川。
そうこうして、
大都会という人間の森で生きている。
御供 2004/1/1

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