太陽は光を発しない明かりのない国。
ずっと夜みたいなところ。
明るい昼でも亡霊のように色あせて逃げて行く。
ワインの中に忘却を求めても、
それはもうできない。
鏡を見ると髪は白くなり、自分でもわからない。
愛する人は少なくなっていく。
私は何かの向こうに死の国を眺めやる。
どこもかしこも暗く豪雨と風が吹いている。
空は灰色だが見えないと同じ蓋がかかっている。
髪の毛も髭も白くなり、
風に吹かれて銀色になびく。
眠らぬ夜がつづいているようだ。
死んで過ぎ去った時をはかることもできない。
明日、私は死んで行く。
思うほどに不思議なことだ。
目の輝きも消え。
口はあくこともない。
あつかましい好奇心にさそわれても剥ぎ取られる。
ひとりひとり死んだことを口にするが、
私には聞くことができない。
そして次の日には忘れられ、
別の日には誰かが同じような目にあうだろう。
そうしているうちには別の世界で風に吹かれて、
ひとつの金色の星が天から落ちる。
死に行くのは誰もが止められないこと。
いつかどこか、いつでもそうだ。
その人のそのひとりのために早く輝きを失った。
輝きを失った金色の星のために祈ろう。
あの星は私だった。
御供 2010/10/1
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