2011/01/15

自転車


   
自分は街のどこかに立てかけられた自転車の一台と同じだ。
ただの景色でしかない。
これが掟なのか?
この空しさ、
この寂しさに向き合えなければ街では生きていけない。
どこへも行くことのできない自転車。
目に見える人々はどんなに強い人々なんだろう。
違う。
街であろうと山であろうとどこで暮らしていても、
人は心に空しさや寂しさを抱いている。
生きていくのはそれらと折り合いをつけること。
どこに居たって毎日がバラ色なんてない。
今笑って目の前を通り過ぎた人も先日までは、
空しさと寂しさを抱いていたかもしれない。
だけど今は笑っている。
ひとりそう感じる時、
同じことを感じている人もいるんだ。
同じ時間にかならずどこかの街角に立ちかけられた自転車がある。
どこかでそう感じている。
 御供 2011/1/10

0 件のコメント: