2011/01/16

夜明け


都会の夜明けと山の夜明けはまるで違う。
山では生き物たちは夜明けを待ち焦がれて、
行動を開始する。
鳥が鳴き、
虫がうめき。
獣があたりを見回す。
だが街では夜明けは休息の世界だ。
朝陽がビルの谷間から長い影を落としている。
道路を歩く人の姿は少ない。
車だけが行き交っている。
そこに生命の営みは感じない。
たくさんはまだ眠っている。
エネルギーの前兆は感じられない。
たまに歩いているのはお年寄りの姿だ。
夜明けの街には不思議な空しさが感じられる。
夜明けが終わりと定めた人生の人も大勢いる。
夜通し働き続けている人の姿は都会でしか見られない。
同じこの時間に山では一日のはじまりとする。
どちらにしても激しく動く時間ではない。
24時間真の静寂が訪れることのない都会。
かならず暗くなると静寂がくる山。
夜明けはどこもちがうものだがはじまりがある。
御供  2011/1/10

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