2010/12/30

めずらしく


東京でめずらしく空き家を探した。
小さいときよく、
子猫や子犬を空き家で飼ったことがある。
家に連れて帰れないのでこっそり空き家で飼うのだ。
空き家がめずらしく東京のど真ん中にあった。
朝方近くに散歩していてたどりついた。
まるで夢へと誘われる気持ちで入った。
空き家は何年の使われていないようで、
まるで倉庫のようになっていた。
大人のおもちゃ箱のようである。
かつて住んだ人の様子を垣間みる。
楽しいワクワクする気持ち入っていった。
まるで異空間に迷い込んだようだった。
埃とカビの臭いの中に身を置くと、
何故か懐かしい。
幼い頃のあの犬飼いごっこを思い出す。
隠れて飼った犬に会いに行った時の興奮にひたらせてくれる。
ハムを片手に入って行ったあの頃の正義感にかられて、
捨て犬を育てている自分がいる。
そうこの臭い。
この懐かしい臭いに思い起こされる思い出が浮かぶ。
人間の奥にある何かにたどりついたような気分だ。
御供 2000/12/29

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