2010/12/21

老いる


青かった時間は、
どこへ隠れた。
光はどこを照らしている。
青から茶色へと輝きが変化した。
雲の中をよぎって、
あの青い光は過ぎて行く。
青い時間は私をも道づれにする。
人間に生まれた以上、
その運命から背を向けることはできない。
その時代は次の世界となんと速く仲良くなり、
私を止めてくれる光はもうない。
若いと言われるものも、
いずれは老いを見る。
一日一日にそれを感じられる人間は少ない。
青い時間は老人をあざけり笑う。
いかにももっともなことだ。
ならば、笑われないうちに、
別の世界の光と仲直りすべきなのか。
そんな理由はひとつもない。
いかにももっともなことだ。
私自身私に対して、
いかにも不安を抱いてきたのだから。
しかし、この今でも私は信じることができずにいる。
世界に向かって対抗する。
世間からタブーとされていることから逃げようとしている。
老いることが怖いのではない。
老いることがわからないのだ。
まだ青かった時間の中に身を潜めている。
体のどこかが強烈に痛み出したらわかるのかな。
でもその時まで考えることもできない。
童心を深く宿して、
童心の不思議な力を味方にする。
心も体もすべてそのままでありつづける。
いきなり白日の現実に目覚めるのか。
私は今でも色あせるということがわからない。
人間としての考え、
対人間とのつきあい。
時間の色はかわってしまうのか。
子供心の信頼から裏切れないでいる。
途方にはくれるが恐ろしく人生を凝視することはない。
人生の半場を越えてから、
転がるように変わって行く。
少ない時間につつまれて、
驚かされた夢遊病者のように。
ふるえながら脅えて生きることに悩んではいる。
絶望という味をかみしめたこともない。
このまま青い時間につつまれたまま、
違った色に変わらずに笑って、
甘い時間を持ちつづける。
血をそそがれた大地へと、
私自身知らぬ間に溶けて行きたい。
魂の美しさに磨きをかけて、
身震いのひとつで恥じ入って意識する。
今も新たなことに興味を持って、
青い時関の中にいる。
いったいいつになったら、
私は次の世界に旅立つのか。
御供 2010/9/2

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