2010/12/03

地球にて


一定なんてものはない。
平和など空虚でしかない。
結局、二度と現れない時を残したくて、
私は詩を書いているのかな。
常に止まろうとしない地球の変化について記憶しようとする。
そんな行為なのかな。
私は経験している人をなぞっているだけなのに。
忘れた振りをして、
再演されるブロードウェイの芝居のように、
新しい気持ちで臨むのさ。
未来は過去に作成された。
どんなアドリブを入れても結末を変えることはできない。
歴史の断片をディジャブゥといって懐かしむ。
しかし、次の瞬間には消える。
記憶の羽の薄さをせせら笑いながら。
時間は止まる時があるけれど、
時間は動き始める。
空を飛ぶ機体から地球をながめると、
世界がまだ原始的なことに気づかされる。
0の素晴らしさ。
文明の先に行き着くもの。
人の生に限りがあるのは今を怠けないため。
人が死を恐れるのは今から逃げ出さないため。
0に戻れる幸福。
地球は今日も姿を変える。
何にふるえていたのかそれすら失せて、
人は年をとりながら地球の上を歩いている。
風の中を歩いている。
世界は丸い地球の中にある。
地球で何をやっても宇宙より小さい。
地球にて何をやっても世界である。
夢から覚めるたびに私は泣きながら、
笑ってしまう。
御供

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