2010/06/30


木は誰にも気がねせずに、
葉を茂らし、
花を咲かせ、
実を落とし、
天を目指す。
年ごとに年輪を加えながら驚く程長生きだ。
人間が死んだ後でも、
遠い未来を見てしまう。
やっと、枯れていく時を私は知らない。
途方もなく地球を見ている。
ゆめゆめ油断をしてはならない。
その根は私たちの魂を、
しっかり掴んで離さない。
その若者はきらめく陽光を浴びて、
私たちをうっとりさせる。
その幹は無。
みな無表情で、
どんな暴君の歴史にも知らん顔。
そして木はいつの世にも旅人を包み、
極楽を夢見させる。
木はその緑で私の目を彼方へと遊ばせる。
大きく広げた枝で、
私たちの騒がしい未来を抱き寄せる。
木は葉のささやきで、
私の耳に永遠の幸福を与えてくれる。
木は誰もあがめられない迷惑者だから。
木は人よりもずっと神に近いのだ。
私たちは木を大切にして、
木に祈らなければならない。
 御供 2004/11/21 11/12/20

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