2010/06/19

貧しさ


貧しさとは内からくる偉大な光輝だ。
自分が貧しいと思っている人は過渡期にある人だ。
たぶん狂気から治療へ、
たぶん反対に狂気へ。
顔になんとも言えない繊細な影を持つ。
愛でしょうか?
知でしょうか?
喜びでしょうか?
どうやらそれらはちょっぴりもの悲しげに、
不安げに燃えている。
誰かがじっと見て助けてやりさえすれば、
またきっと明るくなるに違いない。
光を顔にたたえているのが見える。
しかし、実際には誰も助けてやる人はいない。
ほんのわずかばかり、
うろたえている人々。
小さくなっているだけの人々。
物事を普通の意味とは違った意味で読み違えた人々。
少しも違わぬ世界に住みながら、
ただ少しばかり傾いて歩いている。
時としていろいろなことが、
彼らの頭上にのしかかっていると思い込む人々。
大都会に馴染むことができず、
果てしない恐ろしい森の中にいると感じてる。
都会の中で出口を見つけられないでいる人々。
毎日毎日苦しい目に合うすべての人々。
自分の足音が騒音にかき消されて、
もう聞こえない聞こえないすべての人々。
不安でその頭上に根をはってしまったすべての人々。
どうしてこういう人々を大都会では助ける人がいないのだろう。
貧しい人にはなりたくないだろう。
助けられる人は貧しくない。
   御供 2002/7/13

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