2010/06/21

セックス


セックスは鍵のかかった鍵穴のむこうにある。
機械みたいに、
音をたててる自動人形。
若者はせかせか急ぐ。
年寄りは、年寄りで情熱に身をまかせる。
息もぜいぜい。
若者は息をこらえる。
娘も年増も待っている。
天使はそっと気を配り、
満ち足りたようにぐったりとする。
びっしょりと汗をかく。
こみ上げてくる何かを思い出せない。
欲情で顔を赤くそめる、
お決まりの時間。
穴があくほど見つめ、
自分の欲望の影を見つける。
それでもまた時間が来ると同じことにぶつかる。
あの糞真面目で、
誠実な種馬のようになる。
どうしてなんだろう。
おでましなさる。
いつだって気がつかないうちに来る。
へんてこりんな時にかぎってやって来る。
よだれたらたら、嬉しがってる。
連れ込みホテルでは繰り返される。
毎日、同じことの繰り返し。
だって、ここは休息するところではない。
人間のやることなんてなにも変わらない。
人間が誕生した時から、同じことの繰り返し。
獣となんら変わりない。
セックスなんてそんなもの。
だれもが皆同じように取り憑かれてる。
きっと太古の昔から、そうなんだ。
だから、流行なわけじゃない。
いつもそんなことばかり考えていたんじゃ、
なにも進みはしないよ。
自慰とは時間をかけずにするもんさ。
時間は待ってはくれないからね。
でも、こうやっているうちにもやって来る。
考えなければいいんだと思う。
でも生きていて、楽しむことさちゃんと。
奇麗な足の女が通り過ぎた。
   御供     11/12/24

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