2010/06/11

幻が


何をするのも面倒くさいが、
何かをせずに一日は始まらない。
上手いコーヒーを飲む。
何を思っているか定かではない。
だが気分はある。
どんな気分か知らないが、
月面に立っている気分。
それも宇宙船で行ったのではなく。
いつも寝ているベットで行った。
遠くに見える地球はたぶん美しいだろう。
私は遠くに行けず、ここに縛り付けられている。
遠くに旅したいのにすべてが幻。
だがその幻が現実のように目の前に現れる。
現実を手に入れたのにぜんぜん遠くに行っていないのに気づく。
立ちすくむ。
たぶんそれが、
今一番正確な幻。
無数の幻が散らばる。
ひとつひとつ拾っていこう。
御供 1998/10/5

0 件のコメント: