2010/07/28

愛することができる人は幸せ


私の人生の中で見出したささやかな満足感が、
次第に気の抜けた味気ないものになっていく。
私は生きる喜びを求めなくてはならないが、
それがなになのか?
はっきりしてきたと思う。
愛されることはなんでもなく、
愛することがすべてであるとわかった。
私たちの存在を価値のあるものにだんだんすることが、
わかってきたかのように思われる。
この地上に幸福というものがあるとしたら、
それは様々な感情からつくり出されたもの。
お金はなにものでもなかった。
権力は何の価値ももたない。
このふたつのものをもった人がいても、
心がみじめな人がたくさん見られた。
美しさも何の役にもたたなかった。
一見したところ様々な感情があったけれど、
根底においてそれはひとつのもの。
すべての感情を意志と読んでいい。
私はそれを愛と名づける。
幸せとは愛であり、
それ以外の何ものでもない。
愛せることのできる人は幸せである。
私たちの魂に魂自身の存在を感じ取らせ、
愛は所有することを求めない。
愛はただ愛することだけを望む。
それゆえ、世界への愛を、
思想という夢の中に入れて揺さぶる。
世界を自分の愛の夢の中へふさぎ込んだ。
詩人や哲学者は幸せだったに違いない。
  御供 1999/3/31

0 件のコメント: