2010/07/28

誠実に


人は誠実に生きようとするあまり、
絶えず周囲の人とぶつかる。
摩擦を引き起こし、
独立し、傷つき、悩み、絶望し、
破滅しそうになる。
絶望のどん底で生命の核心に触れる。
それをよりどころに生きる力をつかみ取り、
立ち直る。
そんな生涯を何度も繰り返し、
何度も不器用に誠実に。
しかし、たった一度の人生。
自分にしか生きられない人生を生きぬくことだ。
私たち人間はお金儲けをしたり、
出世したり、
幸運をつかんだり、
世の中のためになるために生きている。
そもそも私たちは人間というできあがった存在ではない。
生命を与えてくれた自然が、
自分というこの世でたったひとつの一度かぎりの存在。
生まれながらにして与えられた運命と可能性を持った存在。
その運命と可能性を見つけ出し、
それをできるだけ誠実に自分の中に実現していく。
そうすることではじめて人間になるのさ。
  御供 1999/7/7

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