2010/06/05

夏の入口


季節の分かれ目の今である。
もう夏たけなわといってもおかしくない。
人間同士が開放的になり、繋がりを深くする季節。
太陽の恵みの中で人は考える。
私だけで何ができるだろうか。
自然は大きな表上を見せ、
人間たちはその偉大さに驚かされる。
しかし、台風16号に脅かされることは毎年のことなんだ。
8月という月は、
人間よりも自然が大きな顔をして通り過ぎて行く。
いつだってそうだったじゃないか。
夏は自然が大きくなる。
人間が小さくなる。
そして、人間が目覚める。
体制への反抗。
理想への憧れ。
制御不能な情熱。
それまで疑問も無く生きて来た世界が、
音を立てて崩れるのもこの季節。
隠された実像が見えて来る。
本当の自分が目を覚まし、
今までの自己は季節の摂理の中で消えていく。
価値観は大きく変わり、行動をとる。
青春といわれる若しき時期に起こる現象として決ってはいるが、
旅に出る。
若気の至りという幻想だけでは、
解決できないものがそこには横たわっている。
理想の世界観とは一言でかたずけられない。
ただのうのうと人生を過ごしているよりは、
はるかに素晴らしい。
地位や女よりも大切なものがそこにある。
社会にまかれるだけの人生をもうやめにしよう。
どんどんと風に吹かれて時代は変わっているのだから。
私の中にある季節はこれからやって来る。
来るに違いないと信じてる。
だからこそ、こうやって筆を走らせている。
私は私の生きて来た視点で、
私の人生を記録している。
今書かないと状況が変わってからでは遅いと解っているから。
夏の入口の今がある。
だから、私の感情は上へ下へと転化してとまらない。
もう近い。
手の届くところまでやって来ている。
思いっきり生きて、今の今を忘れないで!
この不安と苦しみからどうぬけでようか?
でも光が射しているのが遠くに見える。
この季節が終わり、
次の季節がやって来たら大きく何かが変わる。
そして何年か後に笑顔で私は考える。
『何でこんなに悲しい。でも全体的に楽しい』と。
  御供  2004/8/28

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