ヒッピーのタテ笛を聞いたとき、
天国からゆったりと吹いて来る風のような音が耳に優しかった。
海を見ながら目を閉じ、
旋律に耳を澄ますと聞こえて来る。
小学生の頃の自分と、今の自分がオーバーラップ。
私はどこから来て、どこへ向かうのだろう。
表現者として万人のハートを軽くなぜるのではなく、
ひとりのハートにぐさりと刺さる表現がしたい。
顔の見えない大勢の人に向かって受けやすい、
スローボールを投げるより。
そこにいるあなたに向けて真っすぐ超豪速球を投げたい。
人の心の中に棲んでいるあったかいものだけは、
今も昔も世界のどこでも本質的には変わらないものだと知った。
小手先の技術はいらない。
大げさな評価や解説もいらない。
生き方がアートだ。
死ぬ時に「自分の作品」に感動したいだけ、
世界がひとつになればいいと願いつつ。
愛の表現方法なんてない。
たまには窓を開けて未来の風景を見てるかい。
そろそろ、道の上に立って歩き始めよう。
でこぼこだっていい。
遅くたっていい。
疲れたらゆっくりでいい。
びりっけつでもいい。
一歩進むことによって風景が変わっていく。
いつも心に青空を、青空はとてもハッピー。
愛されるよりは愛する方がいい。
大都会でいろいろな人々と触れる。
ひとり孤独に大自然の中を歩く。
歌っては語り、語っては飲み、飲んでは歌う。
アジアの片隅で頼りない地図を片手に村々をまわる。
市場の片隅で、
路上の屋台で、
お祭りの縁日で、
人はみな本質的には同じもの。
西洋も東洋も関係ない。
生きているのか?
死んでいるのか?
わからない様子で泥だらけの地面にうつぶせに倒れてる。
ゴミの中に埋もれ、傷ついた足が痛い。
遺された片方の足で這いずり回る。
小さな手で私にしがみつこうとする子供たちを横切って、
ただ、歩いてる。
東京という空間で夢に見た自分、なにもできない自分。
東京という空間で手に入れてきた自分は意外に無力だった。
せめてこの胸の痛みが、
新しい私の誕生であって欲しい。
精一杯の心がそうつぶやいた時、
何でもいい、ここで何かをしようと思った。
路上に座ると、意外にもみなニコッと笑ってくれた。
現実はそんなにブルーじゃない。
ほとんどの路上の人にとって、
路上での生活がライフ・スタイル。
傾いているんじゃない。
ましてや、死んでいるんじゃない。
ただ、昼寝をしているんだ。
そこには悲しみや痛みではなく、
数千年の歴史によって作られた「現実」がある。
「これから」があるわけだ。
日本を感じることができて、
お金のかからない贈り物をしたいね。
日常の流れの中で忘れがちだが人生は無限じゃない。
人生の待ち時間は限られていて、
誰にも終わりのないカウント・ダウンが始まっている。
世界の街角で出会うのは、
やせこけてギョロギョルした目を持つストリート・チルドレン。
私は今ここにいる。
知識ではなく、実感を。
バーチァルではなく、リアルを。
明日ではなく、今日を。
主張ではなく、愛を。
世間ではなく、あなたを。
すべてはひとつ、心の根を詩う。
私の人生。
たった一度の人生。
燃焼する命。
沸き上がる生命力。
魂のフォーカス。
シンプルなパワー。
星の音、大海原の夜。
耳を澄ますと風が止む。
完全に音のない時空を体験したのは初めてかもしれない。
完全な静寂に入った時、理由もなく怖くなった。
しばらく我慢して落ち着いてくると、
満点の星が輝いていた。
ヘェー、星にも音があるんだ。
世界放浪をつづけていると、
大事なことがドンドンとシンプルになってくる。
世界を放浪していると自分は日本人なんだと実感する。
そして、日本のことを何も知らないことに驚く。
曇りの午後に煙草をふかしながら街を歩いた。
世界中の路地を歩きながら、
いろいろなことを考える。
誰かの一言で突然、幸せになることがある。
人生が変わることがある。
誰かの一言を支えに一生を生きて行くことがある。
すごく難しいけど、
一番シンプルで一番優しいことかもしれない。
御供 12/2/6

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