2010/08/27

余裕すらない


雨の中を飛ぶスズメのようにもう逃げたくはない。
都市生活の中になんの目的を見つけ出せばいいんだ。
今日は私は何をした。
何もしていない。
コレといって大したことはしていない。
都会に住むネズミと何処が違うんだ。
ただ空気を吸って餌を食べている。
それだけにすぎないじゃないか。
どこに違いがあるというのだ。
生きていくのになんの目的を持てばいいんだ。
人間てのはちっぽけなもの。
今日まで何をしてきたかって、
そんなことはいえやしない。
明日から何をするかって、
そんなことしているもんか。
ただ死に至るまで空気を吸って生きているだけ。
楽しみはなんだって、
そりゃ、毎日はすべて楽しいさ。
好きなことしかやっていないからね。
でも、たまにこんな風に考えることもあるってことさ。
毎日いつもこんなことばかり考えているわけじゃない。
ほんの少しの不幸が身のまわりに起きた時だけさ。
人間っていいものさ。
いつも幸せだなんてありゃしない。
もしそんなことを言うヤツがいるとしたら、
そいつは嘘つきさ。
人間ってヤツは心を一定に保っているヤツなんていやしない。
いつも上下して心の中が空っぽになるくらい。
動揺しやすいものなのさ。
いつだってこれからのことを考えると不安になる。
楽しいときなんて一瞬さ。
それも頭の中で思っているときだけさ。
始まっちまったら楽しくないことの方が多いに決まってる。
出会いはホンの一時で、
死はいつまでも続く。
だから辛い事の方が多いってことさ。
人間は罪深い生きものさ。
自分勝手に自然を破壊してしまうのだからね。
これから生まれてくるものたちへのことを、
考える余裕すらない。
御供 2001/8/3

0 件のコメント: