2010/08/31

歩く


知らない街をただあてもなく歩いてみる。
なんだかワクワクするみたい。
ここはとても小さなかわいい街。
行き交う人に目をやれば、
なんだか不思議な顔をする。
笑いかける。
すると笑いが返って来る。
ここに暮らす日常の営みが見えるから、
歩くのはちょっと早い時間の昼間がいい。
どこか店に入って食べ物でも手に入れよう。
見つけた店には新鮮なものが色鮮やかに、
私に語りかけてくるような。
ひとつひとつに見とれてしまうパッケージのラベル。
歩き疲れたら道路脇に腰掛けて、
街の様子をうかがうとしよう。
興味を刺激する。
それを私は心の記録に残そうとする。
どんなものにでもそうだが、
私の心は感覚で良し悪しを判断する。
この街は私の乾いていた心を、
とてもうるおいあるものにしてくれる。
なんだか素敵だ。
私はニンマリと街角に立ち止まり、
じっくりと観察する。
そしてそれをポケットに入れる。
ここで見る、
懐かしき暖かさはなんだろう。
考えても浮かんでこない。
また歩く。
どこへ行ってもあるのだけれど、
人は変化することでエネルギーを発する。
ないものねだりのこの人間の本質。
ふらりふらり風にまかせて歩く。
これこそが、人間の生き甲斐。
楽しみなのだ。
   御供 2000/7/13 12/10/18

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