2010/08/31

誘惑者


たくさんの戸口の前で私は待ち続けた。
何人もの人たちの耳に、
私の詩を歌って聞かせた。
たくさんの人を至福の世界へ誘惑しようとした。
私の歌は世の中に対する心の詩である。
だから、私はそれを実行しなければならない。
そしてひとりでも多くの友を。
私の人生はこの詩の中に隠されている。
聞き手に伝わり至福の社会へと。
幻想は現実になることを信じて。
時に私は失望した手に不幸を握りしめ。
少しでも理解し合える友が欲しくて。
心から頑張って詩を書いている。
長いこと書き続けた詩のひとつが宙を舞って、
すべての人の心に届くまで。
私のこの声が果たして届くのだろうか。
やはり毎日書き続けることが必要だ。
私の時間のすべてを。
あとはなにもなく、
私の人生など台無しになってもいい。
ある日私はベットから悲しみのあまり立ち上がった。
そして、幸福を、
世界の平和を夢見てぐっすりと眠りについた。
私の快楽は世界の愛を伝承すること、
いつも孤独という言葉を引きずって。
ああ平和よ。
私の誘いを。
私は何も所有することを望まない。
どんな現実も夢を破壊しないでくれ。
私の詩の声を人々に伝えて欲しいんだ。
この世の中に響く笑いのような幸せを、
歓喜に満ちて抱いた夢を。
私の心に美しい花を。
すべての人の心に花を。
新しい奇麗な花が咲くことを祈ろう。
どんどんと変わって行く新しい世界に、
私の詩を投げかけよう。
自分のための詩、
そしてみんなの詩。
美しいリズムにのせて、
人々の心の中に誘惑の声を語りかけよう。
御供 1999/2/23

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