2010/08/26

束の間


旅を続けている私。
旅の途上で出会う人々は、
みな束の間のはかない関係だと人は言うが、
私はそうは思わない。
二度と会うことのない友がいても、おかしくないではないか。
たとえ、一瞬の淡い触れ合いであっても、
人生の中の大きな位置をしめる。
一生消えることのない、出会いになることもあるではないか。
出会いの時空。
背後に写る風景。
そして色どる音。
それは過ぎ去ってしまうにもかかわらず、
鮮明に心の奥底に刻まれている。
そういう新しい出会いに、
いつも胸膨らませている。
私の心は、束の間の出会いを求めて旅を続ける。
記憶の底へと、降り立って行く。
人間と人間は、たとえどんなに長く、
そして深く、関わりあおうとも大切なのは出会い。
確かに時間という単位では計れない、
という感じが私の中にある。
社会に対しても、
その国のルールに対しても、
自然に対しても、そうであるように思うのだ。
出会った人間に対して関係を持つということは、
敵対したり、
愛したり、
傷つけたり、
そういうすべての行いの果てにある。

そういう考え、思いは、
私の心の中の真実に写り出されている、
何も変わっていないような気がする。
私は出会いを拒否はしない。
むしろその束の間出会いが好きであり、
深く結び付くことに対してうれしい挑戦の中にいる。
非常に誤解されやすい、
私のあまのじゃくな心は苦しむことを覚悟しながら、
それらを認めた上で、私は人間が好きだある。
生きることへの興味はあきることを知らない。
私は人生の終着点の場所まであきらめず、
束の間の出会いを求めている。
近くて遠い果てまで行くことだろう。
地図を見ずして、
ただ引力に誘われるように。
私の旅は、束の間を肯定して、
終わりのない旅の上に歩きつづける。
H.MITOMO

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