耳栓をしている夢をみた。
本当に失ったのは言葉。
世界から言葉がなくなる。
誰も気がつかない。
言葉を複雑にしたがために言葉が単純になった。
同じところに国を創った。
だから私は同じ言葉を覚えた。
ところで無くした耳栓はひとつなのだ。
仕方なく一個だけ耳につめた。
半分だけ聞いてみた。
驚くべきことに、
とりとめのない言葉のやりとりにおいてなに不自由なかった。
主語などいらない。
主語がいらないのを知ると不自由はない。
詩的言語空間を論じる。
私はうつろな人間。
言葉は無くなり、
統制人間の頭になる。
耳栓を探すのをやめ、
私はこっそりと私の主語を掘り起こした。
それは芽を出し、
いずれ一本の木となる。
裸の山の頂上で、
新しい木は言葉をつける。
光を受けて輝き出す。
言葉という言葉にくるまれた木になる。
揺さぶって、
もっと揺さぶって。
残らず落としてしまいたい。
新しい言葉が再び世界に緑で包み込むまで。
いつまでも!
いつまでも!
御供 2000/12/9 14/4/14
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