2010/04/02

都市を漂う



運命とは何か。
夜空の黒よりも深い。
それはどこの都市にも言えることだ。
春、陽に向かう人間の心に花が顔をのぞかせる。
冬、雪に埋もれた感情が自分の心を離れる時、
住みなれた都市から見知らぬ都市へ。
柔らかい肌のぬくもりも、
友人たちの別れも旅人を止められない。
そう、常に人間は動きつづける。
ビルの谷間に住む都会人たちは人間の森という通りを横切り、
乾いたコンクリート・ジャングルへ。
多くの人間の住む街の中を通り過ぎ、
大きく深呼吸する。
きれいな水の流れを求めて歩き出す。
見知らぬ街の見知らぬ人間たちと出会う。
心かよわせて大きな喜びを楽しむ。
友情を深める。
でも人間はひとり寂しく思い悲しむ。
底は深く、刻まれた中に心を置く。
清らかな水の流れるほとりでもの思いにふける。
心交わり、心やすらかな一瞬を通り過ぎる。
また動き出し歩きはじめる。
夕暮れ、すべてのものが暗闇に包まれる。
考えだけが前に進む。
見知らぬ人間の中で知っている人間を探す。
人間は人間を追い求める。
疲れ果てて歩きを止める時、
人間はなんともいえない孤独を感じる。
でも、都会人は人間の森を歩きつづける。
都会では何でも手に入り、
モノを手にして少しのやすらぎを求める。
だが真のやすらぎなどあろうはずがない。
モノはモノでしかないのだから。
都会の片隅で手をふる友の歓迎こそがうれしい御馳走。
友のいるこの街こそ、
私は私でありホッとする。
一枚のシーツにくるまって、美しい女との抱擁。
しかし、目覚める時はかならず訪れる。
名も知らぬ旅の宿で目を覚ますと、
私は誰で、私はどこから来たのか?
私はどこへ行こうとしているのか?
耳に聞こえるのはいつものような喧噪。
別の街へ行き、新しい恋に夢を馳せる。
私は決してつながれはしない。
束縛に夢があるというのか。
私は私の道の上を歩きつづける。
アジアの片隅から、全世界、全地球へと。
そして、果てしない果てまでも歩きつづける。
私は住み慣れた街を離れ、新しい街の中へと入って行く。
何もわからずに、何かに引かれて。
ただ出会いというダイアモンドを手に入れたくて。
私は都市から都市へと友を求めて歩きつづける。
私は住み慣れた街を離れ指折り数えて待つ。
心の中にある、
矛盾だらけの私の正義を求めて歩く。
好奇心と快楽を求めて歩く。
すべての災害から逃れ、
私の行く手には楽しいことが待っていると信じている。
それはシミのようにじりじりとひろがる。
地球の崩壊。
平和への祈り。
はっきりとしない数をはっきりさせ、
戦争などない平和な世界が来ることを祈る。
夢から現実へ。
地球のすべて。
地球市民が自分の中の正義に関心を持って、
前に進むことを考える。
平和の中に身をおきたいと願う心が来る日を祈って。
いやそんな日がきっと来る。
楽しみに向かい至福へと、
昨日よりも今日の方が近づいている。
私の体と心は、これを信じてある都会の片隅にたたずんでいる。
人間と人間の間をスルーして、
私という人間がここに居る。
そして同じように他の人間もここに居る。
争いなどしてなんになる。
共に愛し合おう。
やさしさと思いやりを持って相手と接し、
小さな喜びの中に小さなつながりを持つことさ。
やがてその芽が大きくなる。
裏切りなどあろうはずがない。
でも神でない人間たちはあやまちをおかす時もある。
責任の向こうには輝かしい友との関係。
生命の絶えるまでつづく真実の中に、
深く深くリスペクトをやまない。
幸福だと思っている人間ほど幸福を知らない。
不幸な人間ほど、束の間の幸せを味わう。
それは時が進むにつれて心の中に刻まれていく。
私は人間として世界を漂う。
都市を漂う。
何が幸福かもわからずに!
わかってしまったら私は違う人間になってしまうと思うから。
終わりは笑って死にたい。
何も持たない。
何も借りない。
でも心には輝く夢のような現実がある。
何よりも美しい、人間の持つ自分の信念というやつがある。
私は人生を愛する。
私は裏切られても、裏切りを知らない。
私以外のすべての人間を許し、
大きく未来へと導きたい。
素晴らしいエクセレンスな時の向こう側を見たい。
ひとりの小さな変化が大きな変化になる。
だから私は私から変わることを考える。
愛を感じて!
愛を送ろう!
    H.MITOMO      11/12/19  2013/5/18


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