雨の中

ポツポツと降る雨の中を家路に急ぐ。
しっとりと体は雨に濡れて芯まで冷たい。
秋の雨はとてもびっしょり濡れる。
雨はとてもさみしく降る。
心の中まで濡らす。
雨の中を歩いたことがあるかい。
なんとみじめなことか。
傘もなく、カッパも無いとき。
人間はなんと弱い生物なのかと感じずにはおれない。
たくましい動物に比べたら、
人間はなんと無力なことか。
私は雨の中で歩くこともできず雨宿り。
いつやむのかわからない雨のやむのをずっと待っている。
軒下で雨宿りしていても、
しとしと体は濡れてくる。
思い切って雨の中を走り出す。
手を頭にあてて軒下を後にして家へと向かう。
家に帰れば暖かい暖が待っている。
でも家はなかなか見えてこない。
こんなわみしい雨の中。
私は雨にびっしょり濡れて、
とてもさみしい気持ちになる。
雨の中はもうイヤだ。
今度はかならず傘を持ってこよう。
そう心に決めながら、走り出す私。
　　　御供　２００１／１０／２２