道路から屋根にも壁にも見渡す限り、
果てしなく雨が降りしきる。
遠くに霞むネオンまで、
風に吹かれてボンヤリと光をはなつ。
雨がすべてをしっぽりと包んでいる。
雨は大地を濡らし、
うねり、流れ、嘆き、
震えながら、
ひそかに暗い衝動を音に包む。
言葉に見つけられずに、
心をここにもかしこにも揺れ動かしている。
風に吹かれて、
降りしきる夜の雨。
音となり、
「シトシト、ジャブジャブ、ランランラン」
静かにみなぎる音となる。
開いた窓から、
夜の雨が流れ入る。
そして、予感に満ちた夢を送り出す。
ささやきながら、
古い時代を語り合う。
月が落ちて、
遠くにはすでに満月が停まる。
街のネオンだけが、
雨の中を照らしている。
夜の雨は人を盲目に、
そして、体を休める。
確かな時間。
夜は冷えて、
遠くには不思議な光が長い影を引いている。
私は吸い込まれるように、
手探りで人生を探す。
私は夜の雨の中で、
何を震えているのか。
青く暗い夜が深々とたちこめている。
突然開いた雲の切れ間から、
魂は揺り動かされる。
深い穴倉から高々と燃え上がる。
私の情熱。
夜の雨の中で、
私は呼び起こされる。
確かに今の私はここにある。
御供 2013/5/18
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